沖縄県警本部=遠藤孝康撮影

 沖縄本島で女性に性的暴行を加え、けがをさせたとして、沖縄県警が5月、在沖縄米海兵隊員の20代男性を不同意性交等致傷容疑で逮捕していたことが28日、捜査関係者への取材で判明した。県警は逮捕時に公表していなかった。県内では米軍嘉手納基地(嘉手納町など)に所属する米空軍兵(25)が少女に性的暴行を加えたとして起訴されていたことが今月25日に明らかになっており、米軍関係者による性的暴行事件の連続に、市民の怒りが一層強まる可能性がある。

 捜査関係者によると、海兵隊員は5月下旬に沖縄本島の建物内で女性に性的暴行を加え、抵抗した女性にけがをさせた疑いで逮捕された。海兵隊員は現場から逃走したが、通報を受けた県警が同じ日、基地の外にいたところを逮捕した。

 県警は逮捕時に報道機関に公表せず、県は28日朝の報道で事件を知った。玉城デニー知事は28日の県議会開会前に報道陣の取材に「連絡体制を再整理しなくてはならない」と述べた。その上で「言葉にならない。本当に怒り心頭です」と険しい表情で語った。

 嘉手納基地所属の米空軍兵による事件では、2023年12月に16歳未満の少女を車で自宅に連れ去り、性的暴行を加えたとして、那覇地検が今年3月27日にわいせつ目的誘拐と不同意性交等の罪で起訴した。この事件についても、県は今月25日の報道で把握した。外務省は起訴段階で駐日米大使に綱紀粛正などを申し入れたが、県に連絡していなかった。

 県は27日に嘉手納基地第18航空団司令官のニコラス・エバンス准将らに抗議。浦添市や那覇市などの議会が事件に抗議する日米両政府宛ての意見書や決議を全会一致で可決するなど、党派を超えて事件に抗議する動きが県内各地に広がっている。【喜屋武真之介】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。