3年前、福岡県うきは市で叔父を車でひいて殺害し、保険金をだまし取った罪に問われていた男に対し、福岡地裁は無期懲役の判決を言い渡しました。

判決を受けたのは、会社役員の松成英一郎被告(57)です。

判決によりますと松成被告は2021年4月、うきは市の駐車場で叔父の西村一敏さんを車で何度もひいて殺害し、その後、事故で死亡したかのように装い、死亡保険金約1500万円をだまし取りました。

これまでの裁判員裁判で一貫して無罪を主張してきた松成被告。

26日にTNC記者の接見に応じた際も「西村さんの死は事故」「やっていないことを認めるのは僕の生き様ではない」などと訴えていました。

これに対し検察側は「人の命を金に換える犯行で、強盗殺人に匹敵する」などとして無期懲役を求刑していました。

28日に福岡地裁で開かれた判決公判で、鈴嶋晋一裁判長は携帯電話の位置情報や現場近くの防犯カメラの映像などから「直接的な証拠はないものの諸事情を勘案すれば、被告以外が犯人とは考えられない」として、松成被告が犯行に及んだと認定しました。

その上で「何ら落ち度のない被害者を狙った冷酷非道な動機に酌むべき点はない」と述べ、松成被告に対し求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。

判決文の読み上げをじっと聞いていた松成被告は、終了後、傍聴席に向かって「ありがとうございました」と声を発し、法廷を後にしました。

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