沖縄県内で女性に性的暴行をしようとけがを負わせたとして不同意性交致傷の疑いで、県警が在沖縄米軍に所属する海兵隊員を5月に逮捕し、那覇地検が起訴していたことが28日明らかになった。
県警は「プライバシー保護」を理由に公表していなかった。米空軍兵が少女を誘拐しわいせつ行為をしたとして3月に起訴されたことが25日に判明したばかり。玉城デニー知事は「卑劣な犯罪が再び発覚し県民に強い不安を与える。強い憤りを禁じ得ない」と記者団に語った。県内の反米感情が高まるのは必至だ。
玉城氏は事件の連絡がなかったことに「沖縄防衛局、外務省や県警との情報共有のシステムをもう一度確認すべきだ」と強調した。県警の鎌谷陽之本部長に懸念を伝えたと明らかにした。
那覇地検によると、海兵隊員はジャメル・クレイトン被告(21)。5月26日に同県内で女性の首を絞め、女性のズボンのボタンを外すなどして性交しようとしたが目的を遂げず、両目などに約2週間のけがを負わせたとしている。捜査関係者によると、事件後に被告は逃走したが、通報を受けた県警が当日中に基地区域外で逮捕した。
米兵の重大事件・事故については、政府や米軍は防衛省沖縄防衛局を通じて県に通報する仕組みがある。しかし、防衛省関係者によると、2事件とも沖縄防衛局に連絡がなかった。
県警によると、米軍関係者の事件は報道機関向けに公表した場合は県にも共有。一方、今回の2件の性的暴行事件など公表しないケースは連絡はせず、県議会などで定期的に説明するといった運用をしているという。
県警は公表基準に関し「公益性や捜査への支障、プライバシー保護などの観点で事案ごとに判断している」とした。〔共同〕
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