特殊詐欺の拠点とみられる雑居ビルを家宅捜索し荷物を運び出す捜査員=さいたま市中央区上落合で2024年6月10日午後2時13分、田原拓郎撮影

 副業を紹介するインターネットサイトで、利用者から架空の手続き費用名目で現金をだまし取ったとして、埼玉県警組対3課などは1日、無職の里村昌希容疑者(30)=千葉県習志野市実籾4=ら20~50代の男女17人を詐欺容疑で逮捕した。また、詐欺グループの幹部とみられる住所・職業不詳の須崎兼一容疑者(34)について同容疑で逮捕状を取り、同日、公開手配した。

 同課によると、里村容疑者らは副業紹介サイト「power」を運営。副業希望者に対し、サイト内で相談者の悩みに回答すれば報酬を受け取れるなどと説明していたが、「報酬を受け取るためにはポイントを購入し、『認定会員』になる必要がある」などとうそを言って、現金を詐取していたとみられる。

 逮捕容疑は6月3~10日、副業の会員登録をした静岡県内の女性(23)に、報酬を受け取るために手続き費用を支払う必要があるなどとうそをつき、計4回にわたり、約28万円をだまし取ったなどとしている。容疑者の一部は「お金を振り込ませる詐欺をやっていた」などと容疑を認めているという。

公開手配された須崎兼一容疑者=埼玉県警提供

 県警は6月10日、詐欺グループが事務所として使っていたさいたま市中央区の事務所を摘発し、パソコンなどを押収。グループは組織化され、副業登録者にうその相談を持ちかける「サクラ」、手続き費用の支払いを催促する「管理局」などの役割分担があったとみられる。県警は、幹部で主導役とみられる須崎容疑者の顔写真を公開し、行方を追っている。【安達恒太郎、田原拓郎】

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