長野県岡谷市で登校中の女子児童を連れ去ろうとしたとして逮捕された男が送検されました。警察は少し前から「不審者」の情報を把握していましたが、「子どもや女性が声をかけられる」などの情報ではなかったため注意喚起などはしていなかったことが分かりました。

未成年者略取未遂の疑いで3日逮捕された住居・職業不詳の自称タカハシナオキ容疑者。4日身柄を検察庁に送られました。

容疑者は、2日朝、岡谷市湊の路上で1人で登校していた女子児童の手を引っ張るなどして連れ去ろうとした疑いが持たれています。

女子児童は大声をあげ、持っていた防犯ブザーを鳴らして抵抗したため、容疑者はランドセルのみを奪って逃げたとみられます。児童にけがはなく、ランドセルも現場近くで見つかりました。

その後の調べで容疑者は県外から岡谷市周辺に来て犯行に及んだ可能性があることが捜査関係者への取材で分かりました。ただ、事件については黙秘を続けているということです。

今回の事件との関連は分かっていませんが現場周辺では最近、不審者が目撃されていました。

近所の住民:
「1週間か10日前、『変な人がいるから気を付けろ』とは言っていた」

警察も不審者情報を把握し付近のパトロールなどを行っていました。ただ、子どもや女性が声をかけられたり、追いかけられたりするような情報はなく、県警の「ライポくん安心メール」などで注意喚起はしていませんでした。

このため市の教育委員会は「不審者情報」を把握しておらず、保護者などへの連絡はなかったということです。

市教委によりますと通学路では地域住民などによる見守り活動が行われていますが交通量が多い場所などに限られ、今回の現場近くでは行われていませんでした。今後、見守りなどの対策について改めて検討することにしています。

また今回、女子児童が防犯ブザーを鳴らしたことで容疑者が去ったとみられ、各学校に対し児童に改めて使い方などを教えるよう通知したということです。


さて、子供に影響が出そうな不審者情報などは、県警が配信している「ライポくん安心メール」などを受け、各学校も保護者にメールなどで知らせしています。今回のような事案ではどうすれば良いのか課題が残ります。

なお、5日から県警は緊急対策を実施し、見守り活動の強化や、防犯ブザーの使い方の指導を行うことにしています。

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