各地でクマの出没が相次ぎ、被害も数多く報告されています。

そんな中、2023年度最も人身被害が多かった秋田県が作ったポスターが、「かわいすぎる」と物議を醸しています。

茂みの奥から、つぶらな瞳でこちらを見つめるクマ。
問題になっているポスターを秋田県民に見てもらうと、「かわいい、上手」という反応がありました。

発端は、3日の秋田県議会でした。
ある県議が、「かわいすぎてクマの怖さが伝わらない」と指摘をしたのです。

ポスターで描かれた、かわいすぎるクマは全部で4つ。

森でごみを持ち帰ることを呼びかけるイラストでは、よだれをだらりと垂らす“食いしん坊のクマ”が描かれています。
さらに、子犬のようにお座りするしぐさも。

このイラストを描いたのは県の職員。

秋田県では、クマに襲われた人が命を落とす事故が発生。

市街地にも、たびたび出没しています。

2024年に入って寄せられた出没情報は500件以上。

これまでに6人が襲われ、被害は過去最悪のペースで増え続けています。

こうした状況の中で起きたポスター問題に、県民からは「かわいいです。職員が描いたの?上手!」「誰が見ても分かる。顔がどうとかではなく、“クマ注意”だから問題ない」「危険な感じはしない。かわいらしくて。危険性をアピールする形でもいいのでは」などの声が上がりました。

賛否が分かれるクマの絵がかわいすぎる問題。

このイラストは、ツキノワグマ対策などのパンフレットに描かれていました。
口を開けて人を驚かすクマ、優しい笑みを浮かべたクマも登場。

では、どんなイラストであれば注意喚起になるのでしょうか。

街の人に聞くと、「かわいすぎるから、もうちょっと怖いクマ(のイラスト)にしたら、怖いという認識になって気をつけようとする」「犬みたいに見える。牙のイラストとか、怖いイメージを持たせるポスターにしたほうがいい」などの声が聞かれました。

秋田県の佐竹敬久知事は、イラストのクマの“ある部分”がかわいすぎると指摘します。

秋田県・佐竹敬久知事:
かわいらしすぎるといえば、目はそんな感じがする。この次に(ポスターを)出す時は、ケース・バイ・ケースを考えながらやっていく必要がある。

問題のポスターは3万5000枚印刷され、県や自治体などに配布済み。

今後、ポスターのイラストを見直すことを検討しているということです。

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