7月3日、県立奥越明成高校の女子トイレからビデオカメラが見つかった事件で、警察は、この高校に勤務する30歳の教諭の男を逮捕し、8日午後、福井地方検察庁に身柄を送りました。
 
建造物侵入と県迷惑防止条例違反で逮捕・送検されたのは、坂井市春江町の県立奥越明成高校教諭・南出龍哉容疑者(30)です。
 
警察によりますと、南出容疑者は7月3日、勤務先の奥越明成高校の3階にある女子トイレに侵入し、盗撮目的でビデオカメラを設置した疑いが持たれています。
 
福井テレビが入手した、ビデオカメラが発見されたときの画像には、仕切りの下から隣の個室を撮影できる位置に置かれ、録画の状態を示しているとみられる赤いランプも確認できました。
 
高校や関係者によりますと、カメラは洋式トイレのコンセントにつながれて電源が入っていて、隣の和式トイレを撮影している状態だったということです。カメラが置かれていたトイレには、朝から昼前まで鍵が掛けられていて、不審に思った複数の女子生徒が、上からのぞいてカメラを発見しました。
 
警察の調べに対し南出容疑者は容疑を認めているということです。
 
南出容疑者の逮捕を受けて、学校側が取材に答えました。南出容疑者は2018年の4月に教員として採用され、2022年4月から奥越明成高校に勤務していました。
 
奥越明成高校では「ビジネス情報科」で商業の授業を担当。現在は、ビジネス情報科の3年生の担任と野球部の部長を務めています。学校によりますと、これまでの勤務態度に問題はなかったということです。
  
また、女子トイレでビデオカメラが見つかったのは3日ですが、その週、南出容疑者はカメラが発見された後も、通常どおり出勤し、試験監督などを務めてめていたということです。そして、このビデオカメラは学校の備品で、南出容疑者が管理を担当していたということです。
 
事件後、複数の生徒から、「トイレに入ったら、またカメラがあるのではと思ってしまう」と不安の声が上がっていて、学校側は「生徒へのケアを重点に対応する。教員で個別に対応し、スクールカウンセラーにも対応してもらう」としています。
 
南出容疑者の逮捕を受けて奥越明成高校は「生徒や保護者、地域の人たちの信頼を裏切ることになり、謝罪の気持ち。生徒の心のケアを最優先で、二度と起きないように教員の規律を正したい」とコメントしました。
 
ある女子生徒の保護者は「今、世の中に盗撮事件がたくさんあるが、身近で起きるとは思ってもいなかった。学校には、こういったことがないよう再犯防止に努めてほしい」と話していました。
 
県教育委員会は「公立学校の教職員が逮捕されたことは極めて遺憾」とコメントし、事実関係を把握したうえで厳正に対処するとしています。また7日夜に、保護者説明会を開きます。

▼事件の時系列
7月2(火)日~5日(金) 試験期間
7月3日(水)3階女子トイレでカメラが見つかる
7月4日(木)事件についての報道・南出容疑者は通常通り出勤
7月7日(日)南出容疑者が逮捕される

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