台風、豪雨など水害で発生する廃棄物の処理に対応した計画を策定済みの市区町村は2022年度末時点(速報値)で全体の31%にとどまることが環境省のまとめで分かった。気候変動の影響で水害の頻度が高まっており、処理が滞れば復旧、復興が遅れる恐れがある。同省は30年度に策定率を2倍の60%へ引き上げることを目指し、自治体支援を強化する。

同省は、災害に備え、廃棄物の収集方法や仮置き場の選定基準、リサイクル手順などを定めた処理計画の策定を自治体に求めている。

22年度末時点で80%の市区町村が計画を策定していたが、地震に対応した内容が多く、水害を想定した計画は31%だった。

水害による廃棄物の対策を巡っては、総務省行政評価局が22年2月、発生量の具体的な推計方法などを指針で自治体に提示するよう環境省に改善を勧告。環境省は指針を改定し、地震と水害それぞれに応じた廃棄物の推計方法などを示した。

環境省は今後、策定率向上の具体的な対策を検討する。地方環境事務所を通じ、発生量の見積もりで自治体の計画作りを支援するモデル事業などを念頭に置いている。

(共同)

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