東京都から業務禁止命令を受けていたにもかかわらず、大学生らにマルチ商法でビジネススクールに入会するよう勧誘した疑いで、コンサルティング会社「President」の元社長・坂本新容疑者（30）ら4人が逮捕されました。

約2000人を勧誘し、8億5000万円を集めたとみられている坂本容疑者ら。
勧誘された入会者の平均年齢は21.7歳と若者中心で、その勧誘に利用したのが、出会いを求める若者向けのマッチングアプリです。

FNNは、被害を訴える男子大学生を取材しました。

被害を訴える大学生：
2021年にマッチングアプリを使って、そこからいい出会いがほしくて始めたら、マッチした相手がマルチ商法の勧誘者だと。アプリ上ではマルチの話とか全くしなくて、本当に普通の話をして、新宿で出会うことになった。

待ち合わせ場所に来たのは、21歳だという女性。
当初は趣味などの話をしていたものの、突如、SNS上の写真を見せ、こう誘ってきたといいます。

被害を訴える大学生：
「この写真どう思う？」と言われ、楽しそうだねと返したら、「サークルみたいの入ってみない？」みたいなことを言われた。そのあとに「いい人紹介してあげるよ」と。

男性は別の日に、女性と2人の男性会員から、ビジネススクールに入会するよう勧められたといいます。

被害を訴える大学生：
1人勧誘するごとに10万円もらえるよという説明と、入会金の説明とか。入会金は42万9000円。

勧められたのは、セミナーや勉強会などへの入会。
これは、化粧品などの物ではなく、サービスを売る「物なしマルチ」といわれる手口です。

男性によると、坂本容疑者らは大勢の受講者を集めた勉強会で、次のようなプレゼンを行っていたといいます。

President元社長・坂本新容疑者（セミナーの様子）：
理念が何事も100点満点を目指し、月収も100万円を目指す集団っていう。あなた自身が参加して月収100万円とれないことは間違いなくない。ぜひ一緒に夢・理想を実現させましょう！みなさんご清聴ありがとうございました。

被害を訴える男性は入会から数カ月後、弁護士を頼り、入会金の返金にこぎつけたといいます。

被害を訴える大学生：
正直言うと、合法的に復讐したいという気持ちがいっぱい。

警視庁は、被害の実態など全容解明のため、さらなる捜査を進めています。

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