2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は11日、海外パビリオンのうち、協会が建設して参加国が個別に借り受ける「タイプB」の建物を、ヨルダンに初めて引き渡した。共同入居型の「タイプC」と合わせて全9棟が完成し、報道陣に内部を初公開した。
会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)では、各国が建設する「タイプA」の工事が遅れる一方、BとC各4棟と、BとCが一体となった1棟については、外観や電気系統などの工事を終えた。109カ国・地域と9国際機関に順次引き渡し、内装工事に入る。
大阪府咲洲(さきしま)庁舎(同市住之江区)で開かれた引き渡し式では、協会の石毛博行事務総長が「国の魅力が表現されることを楽しみにしている」とあいさつ。セレモニー用に作った鍵をヨルダン側に手渡した。ヨルダン陳列区域代表代行のシファ・ズグール氏は「パビリオンの大きさではなく、中身が大切だ。ここまで来られてうれしい」と述べた。
ヨルダン館は「未来を紡ぐ」がテーマ。日本の人や文化とのつながりを意識し、内装などに奈良県上北山村の杉を使用する。国の歴史を現代からさかのぼって体験できるほか、360度投影できるシアター空間には「赤い砂」を敷き詰め、風景や文化などを紹介する。【東久保逸夫】
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