倒木とともに崩れた茶色い土砂が住宅をなぎ倒し、裏手の山肌がむき出しになっていた。松山市の山で12日に発生した土砂崩れ。松山城天守付近では擁壁の復旧工事が行われており、以前から地盤を心配していたとの声も上がった。3人が逃げ遅れたとの情報もあり、周辺住民らは「無事であってほしい」と不安げに話した。

現場の住宅街には土の臭いが立ちこめる中、山から泥水が川のように流れ、道路に倒木や屋根瓦が散乱。巻き込まれた住宅は屋根以外が茶色い土砂に埋もれ、マンションにも土砂が流入していた。複数台の消防車の赤色灯が早朝の住宅街を照らし、重機が土砂の除去作業を続けていた。

近くのマンションに住んでいる男性は、近隣住人への避難の呼びかけを受けて外を見ると、厚さ10〜20センチの土砂が道路を覆っているのを目撃。「2回目の土砂崩れが起こったのだと思う」と語った。その後、再び崩れる可能性があるとして、避難中止の放送が流れた。

男性は「昨年7月にも豪雨災害で崩れた場所。崩れやすい場所なのかなと思った。逃げ遅れがいるとのことなので心配だ」と不安そうに話した。

近所の女性は午前4時ごろにサイレンの音で目が覚めた。外に出ると、ガス管が破裂したのか、強いガス臭がしたといい「怖かった」と振り返った。50年以上近所に住んでいるという他の女性も「ここまで大きな土砂崩れは初めて。最近変わったことと言えば、1カ月ぐらい前からの松山城での工事しか思い付かない」と語った。〔共同〕

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