静岡県牧之原市にある幼稚園で園児が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件をめぐり、業務上過失致死罪で禁錮1年4カ月の有罪判決を受けた当時の園長と検察の双方が期限となる7月18日までに控訴しなかったことから実刑が確定しました。

2022年9月に牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で河本千奈ちゃん(当時3)が送迎バスに長時間にわたって置き去りにされ、重度の熱中症「熱射病」によって死亡した事件をめぐっては、バスを運転していた当時の園長と千奈ちゃんのクラス担任の2人が業務上過失致死罪で起訴され、静岡地裁は7月4日、元園長に禁錮1年4カ月(求刑:禁錮2年6カ月)の実刑判決、元クラス担任に禁錮1年・執行猶予3年(求刑:禁錮1年)の有罪判決を言い渡しました。

こうした中、期限となる7月18日までに元園長側・元クラス担任側・検察側のいずれも控訴しなかったことから判決が確定し、元園長は今後、刑務所に収監される見通しとなっています。

7月4日の判決公判の後、会見を開いた千奈ちゃんの父親は「反省しているのであれば控訴せずに、この判決を受け取って欲しい」と話していて、その後、千奈ちゃんの両親と面会した元園長の息子で川崎幼稚園を運営する榛原学園の理事長は、元園長が控訴しない意向を伝えていました。

判決公判の中で、静岡地裁の國井恒志 裁判長は元園長に対して「保護者から託された園児の安全確保に対する意識の欠如は甚だしく、園児の命を預かる保育者として厳しい非難を免れない」などと指摘しています。

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