秋田県由利本荘市を流れる石沢川の堤防決壊現場で農地被害について説明を受ける佐竹敬久知事=2024年7月30日午前10時23分、高橋宗男撮影
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 秋田県の佐竹敬久知事は30日、今月24日からの大雨で堤防が決壊した同県由利本荘市の石沢川の応急復旧工事現場を視察し、工事の進捗(しんちょく)状況や農地への被害などについて説明を受けた。

 同川の県管理区間で両岸の堤防計5カ所が決壊した。佐竹知事は約50メートルにわたって決壊した右岸に大型の土のうを積む作業などを確認。視察後、河川の復旧工事について「今は暫定的な改修だが、今後、中長期の抜本的な改修をどうするか、さまざまな検証を進めつつ、スピーディーに進めたい」と述べた。また、住宅被害や農業被害についても「生活再建や営農継続に向け、9月までに最大限の補正予算を措置したい」と強調した。

秋田県由利本荘市を流れる石沢川の堤防決壊現場で続く復旧工事=2024年7月30日午前10時48分、高橋宗男撮影
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 県によると、県内の農業被害は30日現在、農作物や栽培施設など約21億円に上る。由利本荘市では由利地域の470ヘクタールから米が集まる3000トン規模のカントリーエレベーターが浸水被害を受け、今年度中の復旧は難しいという。明らかになった被害は一部に過ぎず、被害額は今後大きく増加するとみられる。

 一方、同市では30日、市災害ボランティアセンター(市社会福祉協議会内)の活動が本格化。ボランティア約20人が被災した4世帯に派遣され、泥の処理や災害ごみの処理に汗を流した。同センターによると、30日現在、27世帯がボランティアの派遣を求めており、当面は同市内からのボランティアを受け付けている。【高橋宗男】

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