犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)を請け負うグループが摘発された事件で、容疑者らが多額の資金を移動するために自前の自動送金システムを構築していたことが1日、大阪府警への取材で分かった。組織内の役割は細分化され、システムの管理・保守に24時間体制で当たっていた。
府警によると、グループは収納代行業を自称した富山市の会社「リバトン」を中心に9つの会社で構成。約40人が活動し、主に▽ペーパーカンパニー設立や口座開設を担う「法人管理担当」▽口座のデータ管理や資金移動を自動化する「システム管理担当」▽資金を移す「送金管理担当」――の3つの役割を分担していた。
資金洗浄を効率化するため、管理している口座に振り込まれた犯罪収益を自動で別の複数の口座に移動させていくシステムを構築。システム停止などの不具合に備え、メンバーが交代で常時対応していたという。
グループは500社4000超の法人口座を管理下に置き、少なくとも700億円の資金洗浄に関わっていたとみられる。府警はこれまでに計15人を逮捕したほか、1人を公開手配し行方を追っている。
府警は1日、グループのトップ、石川宗太郎被告(35)と、ナンバー2の山田浩輔被告(39)=いずれも詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の罪で起訴=を同法違反などの疑いで再逮捕した。逮捕は3回目。
再逮捕容疑は2021年9月〜23年5月、不正に登記した会社名義で金融機関の口座を開設し、オンラインカジノの賭け金約8万円を含む計約700万円を別口座に送金するなどした疑い。
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