群馬県渋川市の伊香保温泉のシンボル・石段街で、築100年以上の廃業した旅館の建物の再生が進んでいる。群馬銀行の投資専門子会社と地元の旅館、観光関連業者がまちづくり会社を共同で設立し、建物を生まれ変わらせて飲食や休憩などの新たな機能を持たせるとともに、温泉街の活性化を図る。【庄司哲也】
まちづくり会社設立 支援募る
再生するのは、365段ある石段街の中腹の166段目にある「旧市川旅館」の建物。地上4階地下1階で、延べ床面積は650平方メートル。以前は旅館だったが、数十年前に廃業した後は使われなくなっていた。イベントも行われる場所の周辺にあることから、再活用が温泉街の長年の課題だった。
2023年12月に共同設立したまちづくり会社「石楽」が所有者から建物を取得し、耐震化など大規模改修を行っている。1階はテイクアウトの飲食店、2、3階は飲食店や物販の店舗が入居し、4階はラウンジのような機能を持たせる計画。石段街の中間地点でインフォメーションセンターのような機能を持たせた施設にする意向で、11月上旬のオープンを目指している。
石楽の岡嘉紀社長は「伊香保温泉の石段街周辺の再生計画が進められ、温泉旅館の高付加価値化も図られている。温泉街に新たな魅力が生まれつつある中、旧市川旅館も生まれ変わろうとしている」と説明する。
石楽は、石段街の活性化に向けた取り組みを知ってもらい、ファンを増やそうとクラウドファンディング(CF)も始めた。目標額は120万円で、名称は「伊香保温泉の築100年超の建物を活用して、石段街を楽しくする拠点をつくりたい!」(https://for-good.net/project/1000970)。宿泊補助券、水沢うどん、地ビール、ホテル・旅館の女性経営者で組織する会社「伊香保おかめ堂本舗」のメンバーとの食事会への参加権など、リターンも用意している。期間は9月25日まで。
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