東北芸術工科大学(山形市)は、文化財の内部を立体的に調べられるX線コンピューター断層撮影装置(CT)を導入した。費用は約8200万円で、文部科学省の補助金も活用した。東北芸工大が2015年から修復プロジェクトに取り組んでいる善宝寺(山形県鶴岡市)の五百羅漢像の遺存状態や技法の調査などに役立てる。
文化財保存修復研究センターにVoxel Works(ボクセルワークス、東京・渋谷)の装置を備え付けた。撮影対象を載せた台座を回転させながら得た画像をコンピューターで処理し、3次元の透過画像を作成する。対象物は高さは100センチまで、幅と奥行きはそれぞれ60センチまで対応できる。
従来のX線透過撮影装置による2次元データでは確認できなかった技法などを解明できる。西洋・東洋絵画修復のための事前調査や、土器や埴輪(はにわ)など出土遺物の製作技法調査などにも活用する。
こうしたCTを芸術系大学が備えるのは全国でも珍しいといい、学内では学部・学科の垣根を越えて活用する方針だ。学外との連携も視野に入れており、中山ダイスケ学長は「地域の産業界や様々な研究機関にも使ってもらいたい」と話している。
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