警察庁や国家公安委員会などが入った中央合同庁舎第2号館=東京都千代田区で2022年8月25日午後2時38分、北山夏帆撮影

 東京都内の出版社にサイバー攻撃の一種である「DDoS(ディードス)攻撃」を仕掛けたとして、警察庁サイバー特別捜査部は6日、大分市三佐3、配管工、赤坂篤洋容疑者(25)を電子計算機損壊等業務妨害容疑で逮捕した。

 DDoS攻撃は、大量のデータを送ってシステム障害を起こさせる手法。赤坂容疑者はプログラム作成などの専門知識はなかったが、攻撃を代行する海外の有料サイトをネットで見つけ、千数百円程度で利用していたとみられる。

 逮捕容疑は2022年3月17日、ウェブサイト「Bootyou(ブートユー)」を使い、都内の出版社のサーバーに2回にわたってDDoS攻撃をし、出版社のサイトを計約1時間半閲覧できない状態にして業務を妨害したとしている。

 赤坂容疑者は容疑を認め、「ブートユーを使って他にもDDoS攻撃をした」と供述しているという。

 警察庁によると、ブートユーは、欧州刑事警察機構(ユーロポール)などの国際共同捜査によって22年に閉鎖された。日本も23年9月に、この国際共同捜査に参画。外国の捜査機関から提供されたデータを警察庁が解析したところ、出版社の被害や赤坂容疑者の関与が浮上した。

 警察庁直轄のサイバー特捜部の前身組織が22年4月に設置されて以降、国内で逮捕した容疑者は2人目。国際共同捜査をきっかけに国内の容疑者を摘発したのは初めてという。【松本惇】

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