福島空港内の道路工事をめぐり、入札妨害などの罪で福島空港事務所の職員が起訴された。

福島県の発表によると、起訴された職員は福島空港事務所の福田等主査(50)と志田欣也建設課長(55)。
2021年9月に入札があった当該の工事において、福田主査は秘密事項の設計金額を、志田課長は入札参加者を、石川町にある土木会社の担当者に教えたなどとされている。

工事は相手の会社が4455万円で落札し、予定価格に対する落札率は90%を超えている。

不祥事を受け、福島県土木部は8月8日午後7時から会見を開いた。

【福島県土木部による会見】
Q 2人の関係は?
A 同じ部署での上司と部下である。

Q 今回起訴された内容について、2人とも情報を知りえる立場だったのか?
A 契約の担当が主査で、その上司が課長となる。設計金額は双方把握できる立場で、応札業者は課長のみが把握できる立場だった。

Q 2人から報告があったのはいつか?
A 事情聴取を受けているという話を聞いたのは先週金曜日だった。警察から事情聴取の内容について職場に話していいと言われたため報告したとのこと。

Q 捜査はいつから受けていたのか?
A 所属として7月に書類の提出という形で協力した。当該職員と警察のやり取り時期は把握していない。

Q 2人の現在の勤務状況は?
A 本日(8月8日)までは勤務しているが、明日からは休みになる。

Q 2人は県の調べに対し事実を認めているか?
A 認めている。

Q 2人はお互いが秘密事項を漏らしたことを知っていたのか?
A 当時はコロナ禍で空港事務所は2班体制で交代勤務していて、主査と課長の勤務が一緒になることはなかったので、お互いの状況は知らなかったと話している。

Q なぜ秘密事項を漏らしてしまったのか?
A 主査への聞き取りでは、相手方は福島空港の維持管理業務の組合に属していたため業務に精通していたと聞いている。今回の対象工事が当初想定よりも大規模になり、工期内で終わるかどうかが問題となっていたため、工事を進めるにあたり空港の状況を知っている業者の方が効率的に実行できると考えたと。つい相手からの求めに応じて金額を教えてしまったと聞いている。
  課長については当時の記憶があいまいで明確な理由が示されていないが、悪い意味でなれ合いのようなものがあったのではないかと想像される。

Q 他の案件での不正はなかったか。
A 本人たちはこれ以外にはないと言っている。

Q 工事の内容は?
A 空港では、滑走路の南側の部分で安全区域に盛土をして広げる工事をしているが、土を運ぶために進入する道路を拡幅するため工事である。

Q 能動的に秘密を洩らしたのか?
A 業者から問われたのでつい教えてしまったと聞いている。

Q 教えた方法は?
A 主査は空港事務所の事務室内で付箋に金額を記載して渡したと聞いている。
  課長は机の上に入札関係の名簿を整理していて、それを相手が見ていたとのこと。

Q 業者は事務所に頻繁に出入りしていたのか?
A 日報の報告で毎日来ていた。本来であればコロナもあり事務室内には職員以外入れないはずだが入ってきていたと。

Q 2人の勤務態度は?
A 主査は物静かで、仕事をしっかりする職員。与えられた仕事は期限内に適切に処理し、他の職員の業務のサポートも行うことができる職員だった。
  課長は経験が豊富で業務に対して責任感を有している職員。課内の職員を取りまとめながら業務を執行していた。

Q 退職の申し出は?
A 現時点でない。

Q 相手方からの見返りはあったのか?
A 2人ともなかったと聞いている。

Q 見返りがないということは、動機については、相手の業者なら工事がうまくいくと思って教えてしまったということか。
A そう聞いている。


福島県は「このような不祥事を二度と起こすことの無いよう、改めて法令順守の徹底を図り、県民の皆様の信頼回復に全力で努めてまいる」としている。

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