人気ロックバンド「B′z」のボーカル、稲葉浩志さんが13日、出身地の岡山県津山市で初のソロライブを開いた。チケットを持たない多くのファンも県内外から訪れ、会場周辺では交流イベントが催されるなど猛暑を吹き飛ばす熱気に包まれた。津山公演は全国ツアーの一環で14日も行われる。
稲葉さんが故郷のステージに立つのは、2017年にギターの松本孝弘さんと「B′z」として初の本格凱旋(がいせん)コンサートをして以来。会場の津山文化センター(同市山下)は定員約1000人だが、2日間で約1万人の訪問を見込む。市民有志らは「聖地・津山」を満喫してもらおうと、「津山おもてなしプロジェクト」を組織し、訪問客に対応するボランティアの募集やイベントの企画などに取り組んできた。
JR津山駅から会場への沿道や商店街にのぼりや看板を掲示するなど歓迎ムードいっぱい。市内の観光名所や稲葉さんの実家の化粧品店などゆかりの場所を紹介した「おもてなしマップ」も無料配布された。会場前には関連グッズを求めるファンが午前中から列を作った。山口県下関市の女性(39)は、7月の横浜公演を楽しんだが、今回はチケットを入手できなかった。それでも始発の新幹線で駆けつけたのは、津山の「おもてなし」に引かれたから。「沿道で写真を撮る時、ボランティアが風にはためくのぼりを抑えてくれるなど親切。1泊して明日も聖地巡りをします」と楽しみにしていた。
会場横の広場では飲食ブースが並び、特設ステージで「B′z」の楽曲によるカラオケコンテストやコピーバンドの演奏なども。午後6時の開演を前に、地元ファンのための地域枠でチケットを購入できた津山市の松本裕之さん(63)は「抽選に4、5回外れていたのでとてもうれしい。静かなソロ曲『遠くまで』なども好きだが、激しい曲で一緒にシャウトしたい」と意気込んだ。
おもてなしプロジェクト実行委員長の芦田雅嗣さん(39)は「ライブを機に津山の魅力に触れてもらい、多くの人にまた訪れてほしい」と期待した。【石川勝己】
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