全国戦没者追悼式で献花をする参列者=東京都千代田区の日本武道館で2023年8月15日午後0時26分、藤井達也撮影

 79回目の終戦の日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれる。天皇、皇后両陛下や岸田文雄首相らが参列し、日中戦争や第二次世界大戦で犠牲になった約310万人を悼む。式は新型コロナウイルスの感染対策のため前回まで4年連続で参列者数を制限して開催していたが、今回5年ぶりに従来並みの規模で開催する。

 式では、岸田首相の式辞に続いて、正午の時報に合わせて参列者が1分間の黙とうをささげる。その後、天皇陛下がおことばを述べられる。

 遺族を代表しての追悼の辞は、出征先の中国で父を亡くした福島市の安斎満さん(86)が述べる。

 式では、これまで新型コロナの感染対策として国歌演奏のみとしていたが、今回から国歌斉唱を再開する。

 厚生労働省によると、出席予定の遺族は約3600人。付き添いをのぞいて4989人が参列したコロナ禍直前の2019年よりも少なくなる。

 高齢化のため参列遺族のうち、おいやめい、孫などの戦後生まれの割合は年々増えている。今回は約47%で過去最高となる。

 最年長は97歳の戦没者の弟。戦没者の配偶者は2人、きょうだいは106人が参列予定。

 大戦では軍人・軍属230万人、民間人80万人が犠牲になった。海外での戦没者のうち半数近い112万人分の遺骨を今も収容できていない。【肥沼直寛】

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