京都国際マンガミュージアムのエントランス=京都市中京区で2024年8月22日午前10時3分、南陽子撮影

 インバウンド(訪日外国人)に人気の観光地「京都国際マンガミュージアム」(京都市中京区)で、来館した著名漫画家たちが自筆イラストとともにサインした壁面に勝手に落書きをしたとして、京都府警は22日、建造物損壊の疑いで、フランス国籍の自称アーティストの男性(41)を逮捕した。男性は6月ごろ来日し、市内のホテルを転々としている旅行者で、「サインをした」と認めているという。

 逮捕容疑は、20日午後2時ごろ、断りなく店内の壁面に黒色のフェルトペンを使って落書きをしたとされる。

 府警中京署によると、落書きは2カ所で、大きい方は縦38センチ、横45センチ。小さい方で縦12センチ、横15センチ。漫画家のサインがない部分にギザギザした文字のようなものを書き込んだという。

 同ミュージアムは2006年開館。07年ごろからこれまでに、ちばてつや、さいとう・たかを、ヤマザキマリら100人超の漫画家たちが書き残したイラストやサインであふれる壁面は、同ミュージアムの喫茶店内にあり、人気スポットとなっている。通常は、ミュージアムが展覧会の企画などで招いた作家に依頼し、書いてもらう。

 男性は飲食せずに立ち去った後、ミュージアムが20日に被害届を出した。男性は何度も来日していると説明しているという。

 同ミュージアムは「開館以来、作家さんに書いてもらっている大切な壁なので、勝手に書かれて残念だ」とコメントした。【南陽子】

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