小林製薬の紅こうじサプリメントによる健康被害問題で、大阪市は23日に開いた対策本部会議で、今秋までに原因物質の毒性や被害者の症状との関連性を調べた上で、サプリの摂取による食中毒と断定する方針を決めた。食品衛生法に基づく対応で、2025年3月に調査結果をまとめる予定。
被害が出たサプリの原料からは、青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」と2種類の未知の化合物が検出され、プベルル酸は動物実験で腎障害を引き起こすことが確認されている。厚生労働省などによる毒性試験で人体への影響が確認されれば、食中毒と断定できる。
再発防止を目的に、市は汚染経路を推定するため、今月27日に小林製薬の旧大阪工場を立ち入り調査することも明らかにした。
市は3月に「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」など3製品について、食品衛生法に基づく回収命令を出した。8月21日時点で、回収が見込める約19万1000個の約95%を回収。同22日時点で、遺族らから相談があった死亡事例119件のうち、調査不能な事例を含めて86・6%の聞き取りを終えた。【長沼辰哉、鈴木拓也】
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