恐ろしくも憎めない「砂かけ婆」のいるベンチ=兵庫県福崎町西田原で2024年8月22日、村元展也撮影

 妖怪が出没する町として知られる兵庫県福崎町に22基目の妖怪ベンチ「砂かけ婆(ばあ)」がお目見えした。しわだらけの大きな手にギョロリとした目。でもどこか愛らしさを漂わせている。

 砂かけ婆は同町出身の民俗学者・柳田国男の著書「妖怪談義」に「お社(やしろ)の淋(さび)しい森の陰などを通ると砂をばらばらと振りかけて人をおどす妖怪」と紹介されている。

 設置されたのは役場向かいの但陽信用金庫福崎支店前。長さ1・8メートルのベンチの座面に高さ約70センチの「婆」があぐらをかくように座り込み、とがらせた唇から常に風が吹き出す。指や瞳がハート型になっていたり、あちこちに浮き出たシミがえとの形になっていたりと遊び心が盛り込まれている。町担当者は「幸せな年の取り方だと感じてもらえれば」と話す。

 費用約250万円は全額、企業版ふるさと納税による同信金からの寄付金でまかなった。【村元展也】

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