大阪府守口市議会は26日、文化・芸術に関わる市の社会教育関係団体の事業に対する「社会教育関係団体補助金」に関し、地方自治法に基づく強い調査権を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を決めた。昨年度予算からの増額について事前説明がなかったことなどから、事務処理に問題がなかったかどうかを調べる。同市での百条委員会の設置は、2020年5月以来2度目。
今年度の予算案でこの補助金は、維新府議が会長を務める市スポーツ協会なども支給の対象に加わり、昨年度から50万円増額の100万円となり、2月定例会で議決された。しかし議決後、予算の審査を担う市民環境常任委員会や本会議でその説明がなかったことや、予算編成の最終段階で唐突に増額されているような形跡が見られることから、市議会は6月定例会で、「社会教育関係団体補助金に関する事務調査特別委員会」を設置した。
同委員会は、事実経過などを明らかにするため、関係する市長や職員計9人を参考人として出席を求めることが満場一致で決定した。しかしその後、瀬野憲一市長は「市としての統一見解、統一の回答のみしかできない。組織としてなので、1人ずつの出席はしにくい」などの理由から、部局ごとなどの複数単位での出席を申し出た。これに対し一部議員からは「言論統制が図られたのではないかとの疑念を抱かざるを得ない対応」と指摘があった。
意見聴取の方法で調査を進めることができなかったことから、市議会の公明、守口未来会議、自民の3会派は百条委員会設置のため臨時議会の招集を請求し、この日の臨時議会で設置案が賛成多数で可決された。
臨時議会後、報道陣の取材に応じた瀬野市長は「事実経過や補助金増額の考え方について、執行機関として委員会での説明の場を設けてほしかった。百条調査権の付与というところまで至ったのは残念でならない」と話した。【面川美栄】
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