静岡県浜松市の中野祐介市長は29日の定例記者会見で、台風10号接近中の28日に市内で開かれた地元県議の会合のあいさつで「台風が近づくとなぜか高揚する」と語ったことを認めたうえで、発言を撤回した。中野市長は会見冒頭で「市民の感情から大変かけ離れた不適切な発言だった。撤回、おわびしたい。誠に申し訳ございませんでした」と陳謝した。
発言の意図について「防災対策にあたる者として、災害が来るかもしれない時、気を張って、なんとしても乗り越えると士気を高めないと対応しきれないと思っていた。しかし市民感情として、災害が近づいている時の思いは不安、心配なのが普通だと思う。深く反省している」と話した。
県議の会合に出席したことに関して「雨は小康状態で、いつでも連絡が取れる体制で、市役所まで5分で戻れる会場だった」と説明。市の災害対策に支障が生じない対応を取っていたとした。
市によると、中野市長の発言に対して電話やメールで市に計6件の意見があった。「台風で不安な中、発言はどのようなものなのか」など疑問視する内容が含まれているという。
台風10号の接近に伴い、浜松市内では空き家の倒壊、落石や陥没による道路の通行止め、天竜区渡ケ島で土砂崩れが発生している。【山田英之】
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