今回非常にゆっくりと進んでいる台風10号ですが、広範囲で被害が出ています。
九州各地で、さまざまな被害が出ています。
鹿児島市では店舗のシャッターが突き破られたり、熊本県の天草市で信号機が倒れたりなどの被害がありました。
宮崎市内でも竜巻とみられる突風による被害があり、九州でけが人が71人、そして行方不明が1人となっています。
今後の進路について、フジテレビ・川原浩揮気象予報士と見ていきます。
29日午後5時前現在、長崎県の雲仙市付近に中心があるところまで進んできています。
速度がまたさらに遅くなってしまい、今も10km/h未満になったので、ゆっくり九州を縦断している途中という状況です。
このあとの進路は、福岡のさらに東に行って、大分あたりにかかっていくのが30日になる予想。
29日だけではなく、30日も九州にいて、ようやく四国方向に流れていくといった予想になっています。
さらによく見てみると、31日と9月1日の円が重なっています。
このあたりで中心の位置がほとんど動いていないという最新の予想になってきていまして、ノロノロ具合がここでさらに、という状況ですが、こういった予想は海外のモデルでも引き続き予想されていて、アメリカの最新のものを見ますと、28日は九州でUターンするような、5日間滞在する予想になっていましたが、少し東側に来る予想にはなったものの、週末に四国でUターンをして、日曜日、月曜日とまた戻っていくような予想になっています。
では、なぜノロノロ、ぐるぐるするのかということに関して、気象学にくわしい岐阜大学の吉野純教授にお話を伺いました。
主な要因として挙げられるのが、偏西風と西の高気圧だそうです。
台風を動かす偏西風はまだ北の方にあり、偏西風が台風を捕まえ損ねたような状態が続いているので、影響力がまだ弱いということです。
それから高気圧に関して、西の高気圧の影響で台風が南下する予想です。
31日から9月2日にかけて、3日間ほど四国周辺にとどまって長い雨が続く可能性もありますし、先ほどあったアメリカが予想していたようなUターンするようなルートもあり得ます。
ただ、この時海上を通った際に、さらにエネルギーを増して勢力が強くなるおそれもあるわけなんですよね。
――今後のピークみたいなものは今の段階ではどうなっているのか?
進路が本当に定まっていない、同じ場所にいるかもしれないということで、ピーク時間が長くなっているんですね。
九州・福岡は、これから台風が近づくということで、ピーク時間が29日から30日にかけてとなっていますが、愛知・名古屋、静岡、東京は、実は離れているけどピークの時間に入ってきていて、湿った空気が入ってきて、雨がかなり強まっている状況です。
高知や大阪は、近づいてきた時がピークとお考え下さい。
29日の昼をスタート時点にして、向こう24時間ずつで何mm降るか、3日間向こうまでをまとめている表ですが、東海は合計で1000mmを超えるんですね。
1000mmを超えるほどこれから降るということで、非常に心配ですが、関東・甲信は台風の全体の情報の中で数字が入ってきました。
3日間で600mm降る予想になっているということで、各地まだまだかなり強い雨が続きそうです。
もうすでに降っているところもたくさんあるようですが、先日のように記録的短時間大雨というようなことになる可能性もあります。
先週の21日に、港区で1時間100mmを超えた雨が降ったとみられる状況があり、記録的短時間大雨が出されましたが、3日間で600mm降るという予想にはなっているんですが、いつ、どの時間の長さの中でそれが降るかというのがまだ分からなくて、短時間でまとまって降ったらあり得ると考えています。
今回は、雨風波も沿岸部はありますので、台風の最新情報、進路と合わせて見ていただきたいです。
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