暴行事件で無罪判決を受けた男性が、警察に残っているDNAデータの抹消などを求めた裁判の控訴審で、名古屋高裁は8月30日、抹消を命じた地裁の判決を支持しました。
名古屋市瑞穂区の奥田恭正さん(67)は2016年、マンションの建設現場で作業員に暴行したとして逮捕されましたが、その後に無罪が確定しています。
奥田さんは、警察で採取されたDNAデータなどの抹消や損害賠償を求め訴えを起こしていましたが、名古屋地裁はデータ抹消を命じた一方、損害賠償については棄却し、奥田さんと国の双方が控訴していました。
名古屋高裁は30日、「国民は公権力からDNAなどのデータをみだりに保有・利用されない自由を有している」などと指摘し、データなどの抹消を命じた1審の判決を支持しました。
さらに、暴行の被害申告自体が虚偽だったと認定し、作業員と会社側に損害賠償を支払うよう命じました。
奥田恭正さん(判決後の会見):
「本当に(事件は)でっち上げだったんだと。8年後にこんな結果が出て、本当にうれしいです」
警察庁は「判決内容を精査して対応を検討したい」とコメントしています。
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