迷走を続けた台風10号は、1日正午に熱帯低気圧に変わりましたが、東海など各地では、降り続いた大雨で被害が相次ぎました。

この後も暖かく湿った空気が流れ込むため、引き続き激しい雨や土砂災害に警戒が必要です。

雨の中、静岡・伊東市の国道で行われた倒れた木の撤去作業。

台風10号は1日正午、紀伊半島沖で熱帯低気圧に変わりましたが、暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、1日も局地的に強い雨が降っています。

午後3時前、栃木・大田原市で撮影された映像では、突然の大雨に撮影者が「さっきまでの晴れはどこへ行ったんだよ。風もだいぶ出てきて台風みたいじゃん」とつぶやいていました。

一方、8月31日に激しい雨が降った静岡市では、各地で土砂崩れなどの被害が出ています。
駿河区では、地元の名物「石垣いちご」のための農業用ハウスが土砂崩れに巻き込まれました。

イチゴ農家:
今初めて見た、ひどいね。なんでうちの所だけって感じです。

8月31日夕方、住民が撮影した映像では、崩れた土砂の上を濁った茶色い水が流れています。

清水区では、寺の裏山が崩れました。

住職:
いま檀家(だんか)さんのお墓の名簿を見ながら確認しているが、45~46基。お墓が土砂と一緒に流されている。

1日、たまたま墓参りに訪れ被害を知った家族は、「まったく知らないです。知らないで来ちゃいました。もうびっくりしちゃいました」と驚いた様子でした。

一方、8月31日に多くの住宅が水につかった岐阜・大垣市と池田町。

一夜が明け、冠水した道路に土が残るものの水は引き、落ち着いた様子です。
氾濫した杭瀬川の水位も下がりました。

8月31日に取材した大垣市内のお宅は、辺りが冠水し、床上まで水につかっていました。
1日は、すでに水は引いていて、午前7時頃から片付け作業を続けているそうで、家内のプラスチックのケースの中には、浸水した際に入った濁った水が残ったままでした。

三重・松阪市では、8月31日の大雨で堀坂川が増水し、川の堤防が数十メートルにわたって崩れました。

8月31日午後の堀坂川では、茶色い濁流が川幅いっぱいに流れている様子か確認できます。
堤防が崩れる瞬間を目撃した住民は、「みんなが騒いでいるから見たら、ごそっと崩れて、見ていたらだんだんごそっとごそっと落ちて」と話しました。

県は、土のうを積むなど応急的な対策を行っています。

そうした中、宮崎市で8月28日に発生した突風について、気象台は現地調査の結果、竜巻と推定されると発表しました。
この地区では、住宅の瓦や屋根が吹き飛ばされるなど、大きな被害が出ています。

住民は、親戚や友人などに手伝ってもらいながら片付け作業に追われていました。

住民:
カーテンがなかったらガラスが飛んできたかもしれない。皆さんが助けに来てくれるので、その人たちにどうやってお礼をしようかと。

1日は、ブルーシートの無料配布も行われ、長い列ができていました。

台風10号を巡っては、これまでに7人が死亡し、1人が行方不明、127人がけがをしました。

台風は熱帯低気圧に変わりましたが、引き続き大雨への警戒が必要です。

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