九州に上陸した台風10号は1日に東海沖で熱帯低気圧に変わった。気象庁は今後も前線などの影響で大気の状態が非常に不安定となり、西〜東日本にかけて大雨が降る恐れがあるとしている。動きの遅い台風の影響で既に記録的な大雨が降った地域があり、引き続き土砂災害や河川の氾濫などへの警戒が必要だ。

同庁によると、2日にかけて前線が日本海から北日本を通って日本の東にのびだす見込み。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むことで、西〜北日本にかけて大気の状態が非常に不安定になる。

同庁の1日正午時点の予想によると、2日は西〜北日本にかけての広い地域で、3日も関東甲信や北海道で警報級の大雨となる可能性がある。

1日午後5時ごろの予想では、2日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で東海150ミリ、近畿と東北120ミリ、関東甲信100ミリ、北陸と北海道80ミリ。3日午後6時までの24時間で東海と関東甲信100ミリ、東北60ミリ。

台風の移動速度が遅かったため、各地で記録的な雨が降った。8月27日から9月1日までの降水量は静岡県伊豆市で960ミリを超え、平年の8月1カ月分の降水量の2倍以上に。宮崎県えびの市でも900ミリ以上となった。同庁は「これまで降った雨で土砂災害の危険度が高まっている」と警戒を呼びかける。

交通への影響は解消しつつある。JR各社によると、2日の東海道新幹線と山陽新幹線は始発から通常通り運行を始めた。

総務省消防庁によると、台風10号の影響で1日午前までに4県で6人が死亡した。けが人は鹿児島や福岡などの九州地方を中心に14県で127人となった。宮崎や大分、静岡など全国1890棟の住宅で、床上浸水や全壊などの被害が確認された。

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