先月就任した大阪高等検察庁の中村孝検事長が記者会見を開き、「検事の不適正な取り調べについて重く受け止めている」と話しました。
先月13日、大阪高検の上冨敏伸検事長(62)が病気により急死しました。
その後任として仙台高検の検事長だった中村孝検事長が先月30日、新たに大阪高検の検事長に就任しました。
中村検事長は、福岡県出身の62歳。
1990年に検事に任官し、これまで名古屋地検特捜部長や最高検察庁刑事部長を歴任しています。
中村検事長は就任記者会見の冒頭、あいさつで次のように決意を述べました。
【大阪高検 中村孝検事長】「大阪などの大都市を抱え、管内人口が非常に多い、大阪高検の検事長を命名され、その職責の重さに改めて身が引き締まる思いです。管内に6つの地検があり、警察等関係諸機関と連携・協力し、国民のみなさんの安心、安全な生活を守るべく尽力しているものと承知しています。大阪高検としては、そのような地検の仕事を精一杯サポートし、検察が国民の皆様から信頼を得られるよう努めたいと思っています」
■検事が“起訴” 刑事裁判にかけられる事態に
テレビカメラ退室後には、プレサンスコーポレーションの元社長・山岸忍さんが業務上横領罪に問われ、無罪となった事件に関連した質問が記者から相次ぎました。
この事件で、山岸さんの部下を取り調べた、大阪地検特捜部の検事(当時)について、「プレサンスの評判を貶めた大罪人ですよ」などと強く迫ったり、机をたたいたりして取り調べたことについて、先月、大阪高等裁判所は、特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判を開くことを決定しています。
■中村検事長「現時点で差し控えたい」
検事が刑事裁判の被告として、特別公務員暴行陵虐罪に問われることになったことをどう考えるかと尋ねられた中村検事長は、「国家賠償請求訴訟も継続中で、審判(刑事裁判)も行われるので現時点では差し控えたい」と回答を避けました。
またこの事件での大阪地検特捜部の捜査の問題点について、内部で検証を行うかどうかという質問にも回答を避け「他の事件についても取り調べが不適切との指摘があることは承知していて、重く受け止めている。二度と同じことを繰り返さないようにきちんと指導していきたい」と話すにとどめました。
■元検事正の起訴は「遺憾。引き続き綱紀粛正を徹底したい」
また、元大阪地検検事正の北川健太郎被告がことし7月に準強制性交罪で起訴された件については「元検事正が公判請求されたことは遺憾。引き続き綱紀粛正を徹底したい」と話しました。
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