滋賀県の特別養護老人ホームで、繰り返し虐待が行われていた問題で、兵庫県にある系列の施設でも虐待があったことが分かった。
この記事の画像(6枚)関西テレビの取材に対し、職員が施設の内情を語った。
兵庫県にある施設の職員:その当時、立て続けに、他の入居者さんの事故があったので、『あれっ』て思って。やっぱりちょっとおかしいなと。
こう話すのは、兵庫県加東市にある特別養護老人ホーム「社(やしろ)すみれ園」で働く職員たちだ。
■22日に虐待発覚の特別養護老人ホームの系列施設でも虐待があった
「社すみれ園」は、22日に職員による虐待などで行政処分を受けた滋賀県野洲市にある特別養護老人ホームの系列の施設で、関西テレビの取材で、ここでも複数の虐待事案があったことが分かった。
去年1月、入所者の女性(80代以上)の胸にあざが見つかり、施設側が、担当の男性職員(30代)に事情を聞いたところ、「体を持ち上げる際に力が入ってしまった」と故意ではない旨の説明をしたという。
しかし、けがの状況を見ていた職員たちは…
「社すみれ園」の職員:あざの形が、握ってできるような形ではなかった。(入所女性は)自分で、自分の体をたたくとか、ご本人でしたというのではないと考えますし。受診先の先生も『これはこの年代の方が自分でつくる傷ではない』と聞いています。
■「職員を信じたいが…けがをさせてしまっているので虐待だと思っています」
その後、加東市が調査を行い、職員の行為を虐待と認定した。
これについて、施設側は…
社すみれ園 橋本雅樹施設長:本人はわざとではないと言っている。
(Q施設としてはどう捉えている?)
社すみれ園 橋本雅樹施設長:施設としては職員を信じたい。そういうことがあったと本人が言っているので、それを信じてはいるが、実際に起こってしまったことは、利用者にけがをさせてしまっているので、虐待だと思っています。
さらに去年9月、別の男性職員(30代)が夜勤の時間帯に、歩行が不安定な入所者が、立ち上がったことを知らせるセンサーの電源を切り、転倒に気づかなかったという事案が発生した。これも加東市に虐待と認定されている。
社すみれ園 橋本雅樹施設長:本当は抜いちゃいけないんですけど、ずっと鳴らされる方だったということで、『すみません。抜いてしまいました』と。精神的に追い詰められて抜いたんだと思う。
職員によると、これらの虐待以外にも事故が相次いでいて、施設側が積極的に対応を取らないことにも不信感を持っている。
「社すみれ園」の職員:どうやって事故が起こったのか考えるのが先なのに、施設側は答えを『ベットの柵でぶつけた』とか、真摯に向き合う対応をすることがない。自分たちは納得できない。
施設側は、関西テレビの取材に対し、「職員に虐待防止や介護力を向上する研修などを行い、再発防止に取り組みたい」としている。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月23日放送)
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