独自取材でニュースを深堀りするコーナー「シンソウ」。今回は被害が激増しているSNS型投資詐欺の手口に迫ります。

岡山県南部に住む60代の北村さん(仮名)。2024年5月、フェイスブックでつながったゆう子と名乗る人物から投資話を勧められました。

(LINE画面のゆう子(仮名))
「叔父に経済学者がいるの」
「短期的な取引でリスクを押さえて利益を得ることができるよ」

(北村さん・仮名)
「このアプリをダウンロードすればいいのね~」

最初の投資は10万円。それから1カ月半、11回にわたり合計7000万円以上を振り込みました。

(北村さん・仮名)
「また増えてる!」
「総資金も3億3000万円を超えたし、そろそろ現金を引き出そうかしら」

しかし。

(電子メール)
「(NR投資会社です)お客様の(口座情報がロックされ)口座資金が凍結されています。(口座)資金の10%を支払えば解除されます。」

その後、約3530万円を入金しますが。

(メール見た北村さん・仮名)
「国際送金ができなかった?これはさすがに変よね…」

ここで、ようやく警察に相談。北村さんは合計約1億540万円をだまし取られました。

激増するSNS型投資詐欺。岡山県の2023年の1年間の認知件数は15件で被害総額は約1億7000万円。それに対し、2024年は7月末時点ですでに58件認知され、被害総額は約9億6000万円に上ります。

ここまで被害が増えた背景には。

(自営業・20代)
「投資はしている。10年後20年後の未来が心配なので少しでもお金を稼いでおくべきかなと」

(人材派遣業・20代)
「教えてもらえるなら始めようかという感じ」

(主婦・60代)
「勉強しないとできない。今も勉強している」

(岡山県警生活安全企画課犯罪抑止対策室 佐藤泰弘室長)
「国民の投資への関心の高まりやSNSの普及により、被害が激増していると思われる」

2024年から始まった新NISAなどにより幅広い年代の人が投資に関心を持つようになりました。そうした投資初心者をターゲットに、長期にわたりやり取りを続け、巧妙な手口で投資詐欺へ誘導します。

(岡山県警生活安全企画課犯罪抑止対策室 佐藤泰弘室長)
「短いもので数週間、長いもので数カ月にわたって被害に遭っている例がある。犯人側から偽のアプリをインストールさせられて、アプリ上では利益が出ているように表示されている。被害の大半は40代から60代の、高齢者ではない現役の世代」

面識のない人との投資やお金に関する話は安易に信用せず周囲への相談を心掛けることが被害を防ぐ最も効果的な方法と言えそうです。

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