報道陣の質問に答える斎藤元彦知事(9日、兵庫県庁)

斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会最大会派の自民党、公明党、ひょうご県民連合、共産党の4会派は10日、無所属議員4人と共同で12日午前に斎藤氏へ辞職を申し入れると発表した。維新の会は9日に単独で申し入れており、86人いる県議会の全議員が辞職要求を突き付ける事態となった。

斎藤氏は要求に応じない考えを既に示しており、各会派は不信任決議案提出に向けた検討も本格化。立憲民主党県議らでつくる県民連合は19日に開会する議会で提出する方針を決めており、提出された場合、可決される公算が大きい状況だ。

地方自治法によると不信任案の可決は議員3分の2以上が出席した上で、出席議員の4分の3以上の賛成が必要。可決の場合、10日以内に議会を解散しなければ失職する。斎藤氏が解散を選んだ場合は県議選が行われ、改選後の議会で3分の2以上が出席し、過半数が賛成すれば不信任決議が成立。斎藤氏は議会から通知を受けた時点で失職することになる。

斎藤氏への不信任案は、維新も単独での提出を模索。維新と共に前回知事選で支援した自民には、県議会調査特別委員会(百条委員会)の結果を待つべきだとの慎重論もあり、公明にも明確な根拠が必要との声がある。ただ、辞職要求を拒絶する斎藤氏の姿勢に「不信任やむなし」の見方が急速に広がっており、多くの議員が賛成に回る可能性が高まっている。

総務省によると、知事不信任案の可決は過去に4例のみで、議会解散したケースはない。各会派には斎藤氏が解散を選ぶのではないかとの警戒感もあり、実際に提出、可決されるかどうか不確実な面も残る。〔共同〕

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