東京大が学部生の授業料を2025年度入学者から約11万円引き上げる方針を示したことを受け、反対する同大の学生らのグループは11日、「議論が十分とはいえない状況で値上げが拙速に決定されようとしていることに、強い懸念を表明する」との抗議声明を出した。
東大は学生への経済的支援も拡充するとしたが、声明では「世帯収入のみを基準とする画一的な授業料減免制度は学生の多様な背景を適切に反映せず、支援が必要な学生の高等教育へのアクセスが制限される可能性がある」と指摘した。
増収分の使途についても疑問を呈した。学修環境の整備やグローバル体験の拡充などに充てるとした東大の方針に対し、「物価の上昇などで学生の生活が苦しくなっている今、学生負担を増やしてまでシステム整備や施設改修を優先して進める必然性が読み取れない」と疑問を投げかけた。
執行部には「結論ありきのスケジュールを根本から見直すことを求める」とし、学生の意見を取り入れる仕組みづくりも求めた。
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