酒田市の会社事務所などに火をつけたとして放火の罪に問われている元消防団副分団長の男の初公判が開かれた。被告は3件の起訴内容を全て認め、検察側は犯行の動機について指摘した。

非現住建造物等放火の罪に問われているのは、元・酒田市消防団の副分団長で無職の田賀一稀被告(28)。
起訴状などによると、田賀被告はことし5月、酒田市寿町の会社事務所や南新町の市の施設の壁などに、灯油をまいた上で火をつけ焼損させた3件の放火の罪に問われている。

きょう(13日)地裁鶴岡支部で開かれた初公判で田賀被告は、「全て間違いありません」と述べ、3件の起訴内容を認めた。

続く冒頭陳述で検察側は、田賀被告がことし2月以降、自動車整備の仕事でミスが重なり、同僚や上司から叱責される中、消防団の副分団長に就任し会議への出席なども増え、ストレスを抱えていたことを明らかにした。

その上で、ストレスの解消や、消火活動に携わることで職場の同僚や家族に評価されたいとの思いから、放火を繰り返すようになったと動機を指摘。
田賀被告が「火を見ると胸がすっとした」などと供述した調書の内容も明らかにした。

一方の弁護側は、3件の事実関係については争わないことを明らかにし、今後、情状面での考慮を求めると見られている。
検察は9月中に1件、その後も数件の追起訴を予定していて、2回目の公判は10月30日に開かれる。

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