退任の記者会見をする原子力規制委員会の田中知委員(左)と石渡明委員=東京都港区で2024年9月18日午後4時36分、木許はるみ撮影

 2期10年の任期を終えて退任する原子力規制委員会の石渡明委員と田中知(さとる)委員が18日、記者会見した。地震、津波の審査を担当した石渡氏は、初めて不許可にする日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査について「恣意(しい)的な審査はしていない」と明言した。

 推進側からは、活断層がないことの証明を事業者側に求める「悪魔の証明」だと批判されたが、「これまで多くの原子炉が証明して審査を通過した。大した悪魔ではない」と断じた。

 石渡氏は、原発の60年超運転を認める法改正に委員で唯一反対した経緯がある。「(原発の寿命を決めていた)原子炉等規制法を守ることは委員の使命。法律の柱をなくすことは納得できなかった。当時の意見は一切変わっていない」と述べた。

 放射性廃棄物の処分などを担当した田中氏は、今後の最終処分に向け、「どう審査するかを示すことが、総合的に処分地の選定に関係する」と述べた。【木許はるみ】

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