警察庁、国家公安委員会などが入る中央合同庁舎第2号館=東京・霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 今年1~6月に全国で起きた電動キックスケーターの交通事故134件のうち、17・2%の23件が飲酒運転だった。単独事故に限れば4割が飲酒運転だった。警察庁が19日、発表した。

 事故に占める飲酒運転の割合は、自転車や原付きバイクは1%程度で、電動キックスケーターの高さが目立つ。警察庁は「電動キックスケーターにも、お酒を飲んだら乗ってはだめ」と注意を呼びかけている。

 単独事故は45件で、うち18件が飲酒運転だった。原因別では転倒が7割弱の31件に上り、電柱やガードレールへの接触が10件だった。けがの部位別では顔と頭が28件で6割を占めた。

 2023年7月~今年6月の1年間での事故は219件で、利用形態はレンタルが9割に上った。3割が運転免許証を保有していなかった。年代別では20代が51・6%で最も多く、30代が22・4%、40代が11・4%と続いた。70代以上もいた。

 電動キックスケーター側が事故を起こしたのは86件で、相手は歩行者が最多の37件で4割に上り、自転車が24件、自動車が22件と続いた。事故に巻き込まれたのは54件で、相手は自動車が8割を占めた。

 電動キックスケーターは23年7月の改正道路交通法の施行後、一定の基準を満たせば「特定小型原動機付自転車」として、自転車並みの扱いになった。

 ヘルメット着用は努力義務だが、今年1~6月、乗車中にけがをした95人のうち着用していたのは4人(4・2%)にとどまった。

 警察庁が6月に利用者約1000人を対象にした調査では、ヘルメットを持っていたのは24・9%だった。所有者でも、「常に着用」と「おおむね着用」を合わせても18・5%だった。

 今年8月には沖縄県内で、男性(当時68歳)がサドル付きのタイプに乗り、転倒する単独事故で死亡した。飲酒はなかったといい、ヘルメットは着用していなかった。改正道交法の施行後の死亡事故は初めて。【山崎征克】

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