写真はイメージ=ゲッティ

 帝国データバンク宇都宮支店がまとめた女性登用に対する栃木県内企業の意識調査によると、7月時点の県内企業の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は平均10・7%で、前年調査から0・5ポイント低下した。政府の女性管理職の目標である「30%以上」の3分の1近い。同支店は「県の数値は全国平均(10・9%)を下回っており、もはや女性の社会進出・登用なくして経済が成り立たない時代に突入する中、女性活躍の意識の定着が求められる」と評した。

 県内で女性管理職の割合が30%を超える企業は全体の9・0%だった。2022年は9・6%、23年は11・0%で、一進一退の状況が続く。

 また、「20%以上30%未満」が11・1%、「10%以上20%未満」が9・7%、「10%未満」が20・1%で、管理職が全員男性の「0%」との回答は半数近い45・1%を占めた。

 規模別でみると、女性管理職が30%以上の企業は、大企業の7・4%▽中小企業の11・5%▽小規模企業の16・1%――で、規模が小さくなるほど女性の管理職登用が高い傾向があった。同支店は、同族企業で社長の親族が管理職を務めるケースが少なくない点も関係しているとみている。

 今後の見通しを尋ねたところ、女性管理職の割合が「増加する」と見込む企業は30・6%、「変わらない」が49・3%だった。

 企業からのコメントでは「登用したいが希望する従業員がいない」「結婚、出産、子育てなどキャリアを積み上げるには高いハードルが多すぎる」など意識や環境を指摘するものや「企業は能力主義であり、使える人材を登用するのに男性も女性もない。女性管理職の割合を数えるのはナンセンス」などの意見が寄せられたという。

 調査は7月18~31日、県内380社にインターネットで実施し、37・9%の144社から回答があった。【藤田祐子】

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