北海道弁護士会連合会は、再審法改正に関する映画上映とシンポジウムを札幌市で開き、約200人が参加した。1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、再審公判中の袴田巌さん(88)の姉、秀子さん(91)が登壇。「(袴田さんは)証拠が出てきてから再審開始になった。巌が47年7カ月冤罪(えんざい)で入っていたことを利用して、再審法を何とかいい方向にしていただきたい」と訴えた。
同事件で静岡地裁は2014年、最有力証拠とされるみそ漬けの「5点の衣類」を「捏造(ねつぞう)された疑い」と指摘し再審開始を決定。袴田さんを釈放した。再審は今年5月に結審し、9月26日に判決が言い渡される。
袴田さんと暮らす秀子さんは「皆さんの熱いご支援のおかげで巌を助けていただいた」と感謝の言葉を述べつつ、他の冤罪事件の被害者たちに言及。「苦しんでいる方々の再審開始を押しまくって頑張っていきたい」と力強く語った。
弁護団の笹森学弁護士は「証拠捏造が決定的な問題点。証拠開示されたものが無罪を導く」と解説した。日弁連は再審の手続き、証拠開示などの法制化を国に求めている。【安味伸一】
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