御嶽山噴火災害から9月27日で10年です。噴火直後、行方不明者の捜索にあたった長野県警の警察官が取材に応じ、過酷な活動や、打ち切られた時の思いなどを振り返りました。
■「畏怖を感じた」あの日の光景
県警本部・浅岡真 管理官:
「最初に大量に噴煙を上げる御嶽山を見たとき、畏怖を感じる思い」
県警本部の浅岡真管理官。「畏怖を感じた」と語るのは、10年前のあの日の光景です。
2014年9月27日午前11時52分に噴火した御嶽山。
土曜日で天気が良かったこともあり、山頂付近には多くの登山者がいて、噴火に巻き込まれました。
■噴煙、火山ガス…過酷な活動
翌日から本格的に始まった警察、消防、自衛隊による救助・捜索活動。浅岡管理官は当時、関東管区機動隊長野中隊の隊長として、警察の部隊の指揮をとりました。
県警本部・浅岡真 管理官:
「これまで誰も経験したことのない噴火災害の現場、標高3000mを超える高所の山岳地帯。自分自身の安全確保と隊員間の安全確保を確実にすること。体調の変化に気をつけてもらい、無理をしないように常に一貫して指示」
火山灰に覆われ灰色一色となった山頂付近。噴煙、火山ガスなどに対応しながらの活動は困難を極めました。
県警本部・浅岡真 管理官:
「噴煙の音がジェット機のエンジン音のようなゴーッという大きい音がずっと鳴り響く。要救助者を必ず見つけて部隊とともに下山して、ご家族のもとに連れて帰ることだけを考えていた」
■捜索終了は部隊活動の限界で苦渋の決断
発生から20日間でのべ1万5000人余りが活動し、犠牲者57人を麓に搬送しました。
しかし、雪が降ったことなどを受け、6人が行方不明のまま、捜索は打ち切られました。
浅岡真 管理官(当時):
「率直に、部隊全員、残念」
翌年の再捜索にも参加した浅岡管理官。新たに1人を見つけましたが、残る5人は見つけることができませんでした。
県警本部・浅岡真 管理官:
「5名の行方不明者が残ったことは無念の思い。捜索終了は部隊活動の限界で苦渋の決断だったが、部隊全員、捜索活動に全力を尽くしたので悔いを残した者はいない」
御嶽山噴火からまもなく10年。
県警でも当時を知らない若い世代が増える中、浅岡管理官は「事前の備えの大切さ」を伝えていきたいとしています。
県警本部・浅岡真 管理官:
「災害が実際に起きたとき、起きる直前に事前知識や情報によって臨機応変に対応できるかどうか。若い世代には事前に準備を怠らないようにすると伝えたい」
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