写真は、福島第一原子力発電所2号機で燃料デブリの試験的取り出しのために入ったロボット先端のカメラが9月14日にとらえた画像。
右上の赤い丸に囲まれた部分がデブリをつかむはずだった「グリッパ」で、周辺には白っぽい塊やケーブルのような線状の物体が見える。
これらは、事故で溶け落ちた核燃料が周りの金属やコンクリートなどをまきこんで冷え固まった”燃料デブリ”の可能性がある。
一方、このロボットは、このあと先端のカメラの映像が確認できない状態になり、現在は格納容器の外に引き戻され試験的取り出し作業は中断している。
東京電力はこのトラブルの原因について、一度デブリに触れるまでに近づいたロボットが、非常に強い放射線にさらされたことで「電荷」がたまる、いわば電気が内部に蓄積された状態になってしまい、過剰な電流が流れて電圧が低下、それがカメラの不具合を引き起こした可能性があるとした。
比較的低い線量のもとで今週末までを目途にロボットを待機させ、カメラが復旧しないかどうかを確認する方針だが、戻らない場合にはカメラを交換する必要がある。
ロボットは一度格納容器の中に入って放射性物質で汚染されているため、カメラの交換にも慎重な作業が求められることになり、この場合には、一般的な想定で1週間から2週間ほどはかかる可能性があるとしている。
試験的取り出し作業の再開にはカメラの復旧が前提となり、再開時期の見通しは立っていない。
少なくとも9月中の試験的取り出し再開はできないとしている。
福島第一原発の1号機から3号機までには880トンのデブリがあると推計されていて、試験的取り出しでは3グラム以下を取り出す計画となっている。
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