水難事故を装って大阪府八尾市の無職、池田明弘さん(63)を殺害したとして、大阪府警が同府富田林市の井上司容疑者(61)を殺人容疑で逮捕した。井上容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に応じ、殺害への関与を全面的に否定していた。主なやり取りは次の通り。【斉藤朋恵】
――大和川で2023年12月、池田さんの溺死体が見つかった。
◆保険金(死亡共済金)ほしさに殺したのではと警察に思われている。しかし、私は殺していない。
--池田さんとはどのような関係だったのか。
◆元々は互いに野球観戦が趣味で、30年来の友人だ。池田さんは最初は良い兄貴分だった。しかし、金を貸してほしいと頼まれて私が貸すようになった。本人の希望で池田さんの金銭管理も私がしていた。
--池田さんが亡くなる直前まで一緒にいたのか。
12月4日昼、2人で誘い合わせて大和川の河川敷に行った。無職の池田さんが仕事を始める時に備え、体力作りをするためだった。池田さんは3キロのダンベルを利用したり、足に付ける重りを使ったりして鍛え、私はウオーキングをしていた。重りは3日に私が買ってあげたものだ。池田さんはそれらの器具をリュックに入れ、自転車で帰ると話していた。私とは現地で別れた。
5日朝、池田さんの用事で市役所に行く予定だったが、待ち合わせに現れなかった。自宅に帰った様子もなかったのでおかしいと思って警察に相談した。
--池田さんが亡くなったと知り、どう思ったか。
◆本当にびっくりしたが、川には自分で入ったとしか思えない。以前にも「カモを見ていた」と言って川に落ちたことがあった。今回も同じだと思う。
--池田さんの生命保険の受取人になっていたという話もある。
◆池田さんが自分で手続きをした。ただの友人なので断ったが、気づいたら私が受取人になっていた。私は保険金を受け取っていないし、受け取るための手続きもしていない。池田さんに返してもらっていない金もあるが、保険金殺人だと疑われたらかなわない。
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