法務省=本橋和夫撮影

 保護司制度の見直しを議論してきた法務省の有識者検討会は27日、保護司の安全対策や新たな人材確保策を盛り込んだ最終報告書をまとめた。仕事をしている現役世代が保護司として活動しやすくなるよう、職場での理解促進も求めている。報告書は10月3日に法相に提出され、法務省は早ければ2025年中の保護司法改正を目指す。

 保護司は、罪を犯した人や非行少年の立ち直りを支えるボランティアで全国に約4万6000人いる。約4割が70歳以上で、担い手不足と高齢化が深刻だ。現役保護司や大学教授らが検討会のメンバーとなり、23年5月から議論してきた。

 最終報告書は、保護司と保護観察対象者との面接のあり方について「一律にルールを設けるべきではない」と指摘。保護司の意向や対象者との関係性を十分に踏まえたうえで、国家公務員である保護観察官らが対面・オンラインで同席したり、公的施設を使ったりすることを提案した。

 保護司の不安に応じて、保護観察官への担当変更や複数の保護司で担当することも求めた。

 担い手不足の解消に向けては、公募制の試行や新任時の年齢制限(原則66歳以下)の撤廃を提言。一方で、無給の保護司に対する「報酬制」の導入は見送った。

 法務省は保護司法に幅広い年代が活動できるよう職場での理解を促す項目を新設する方針。保護司の任期(2年)を3年に延長することも検討する。【三上健太郎】

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