長崎への原爆投下時、国が定めた「被爆地域」の外にいたとして被爆者と認められていない「被爆体験者」をめぐり、長崎市の鈴木市長は原爆投下直後に降った「灰」による放射線被害の認定を改めて国に求める考えを示しました。

「被爆体験者」が被爆者認定を求めた裁判では、今月9日、長崎地裁が原告44人のうち15人を被爆者と認め、29人を認めない判決を出し、被告・原告双方が控訴しています。

判決では原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」による被ばくの可能性は認められましたが、「灰」など他の降下物は認められなかったため、原告全員の被爆者認定には至りませんでした。

鈴木史朗 市長
「我々としても黒い雨に限らず、他の降下物も含めて認めていただきたい。これはこれまでも国に対し求めてきたこと」

鈴木市長は「あくまで裁判とは別の動き」とした上で、灰についても放射線の影響を認めるよう、改めて国に求める考えを示しました。

一方、裁判ではこれまで同様「雨や灰には放射能は含まれない」などと主張するとみられています。

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