海上保安庁は1日、石川県能登地方の記録的豪雨を受けた県災害対策本部で、福井港沖で女性の遺体を発見したと明らかにした。連絡が取れなくなった輪島市の中学3年、喜三翼音さん（14）の可能性があり、身元の特定を急いでいる。着用していたジャージーに「喜三」の文字が確認できたという。
能登半島地震の発生から9カ月となり、被災地では地震被害に加え水害からの復旧作業に追われ、倒壊した家屋の解体など、復興への影響が懸念される。
喜三さんは9月21日午前、輪島市久手川町の自宅に一人でいたところ、連絡が取れなくなった。国土交通省などによると、付近を流れる塚田川では土石流が発生したとみられ、家ごと巻き込まれた可能性がある。
福井海保によると、遺体は30日午後、輪島市から約170キロ離れた福井港の沖合で、付近を航行していた漁船が見つけた。黒っぽいジャージーの腰辺りの部分に、手書きで「喜三」と書かれていた。海保が身元や死因などを調べている。
父の鷹也さん（42）は10月1日午後、石川県警輪島署を訪れ、ジャージーの写真を確認。その後、報道陣の取材に応じ「娘の服で間違いないと思った」と話した。
石川県によると、豪雨の死者は13人。警察や消防などが捜索を続けた。
〔共同〕
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