群馬銀行(前橋市)は2日、深谷支店兼深谷上柴支店(埼玉県深谷市)の元行員の20代男性が、新紙幣の両替を口実に顧客から計5535万円を着服していたと発表した。同行は元行員を9月20日付で懲戒解雇した。主にスポーツ賭博に使っていたといい、同行は群馬県警に相談し、刑事告発を検討している。元行員の支店所在地は7月から発行された新1万円札の実業家、渋沢栄一の出身地。
同行によると、元行員は8月13日~9月3日の間、埼玉県内の個人と法人計16の取引先に「新紙幣への両替の目標がある。両替を無料で受け付ける」などとうそを言い、預かった現金を自身の銀行口座に入金。オンラインでプロ野球や米大リーグに関するギャンブルなどに数千万円使い込んだという。顧客から「両替の目標に協力したい」などと問い合わせがあり発覚した。同行は被害に遭った顧客に謝罪し、全額返金した。
元行員は新紙幣が発行された7月から8月上旬までは、声をかけた顧客の現金を全て両替しており、「お客様に喜んでほしかった」などと話しているという。【日向梓】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。