無罪が確定した男性(68)=名古屋市=から採取したDNA型や指紋などを警察庁のデータベースから抹消するよう命じた名古屋高裁判決を受け、同庁が男性側に「既に抹消した」と説明していたことが3日、代理人弁護士への取材で分かった。国側は上告せず、抹消命令は確定している。

原告の奥田恭正さんの代理人弁護士によると9月、抹消手続きについて確認するため、警察庁の担当課に電話した際、「9月13日までに抹消した」と伝えられた。代理人は説明が不十分だとして、抹消方法や手続き過程などの詳細を明らかにするよう求める申し入れ書を送付した。

奥田さんは取材に「私や弁護士に見える形で示してもらわないと信用できない」と述べた。

二審判決などによると、奥田さんは2016年、自宅近くのマンション工事現場で、現場責任者を突き飛ばしたとして県警に現行犯逮捕され、DNA型などを採取された。〔共同〕

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