本人の依頼で難病「ALS」の患者を殺害した罪などに問われている、元医師の男の控訴審が始まり、弁護側は無罪を主張しました。

元医師の山本直樹被告(47)は5年前、医師の大久保愉一被告(46)と共謀し、ALS患者の林優里さん(当時51歳)から依頼を受け、薬物を投与して殺害した「嘱託殺人」の罪などに問われています。

■一審は「見張りとはいえ重要な役割」と懲役2年6カ月の判決

山本被告は、一審で無罪を主張していましたが、去年12月、京都地裁(川上宏裁判長)は、「見張りの役割に留まるとはいえ、犯行に重要な役割だった」として嘱託殺人罪の成立を認定し、懲役2年6カ月の判決を言い渡していました。

山本被告はこの判決を不服として、控訴していました。

■弁護側は再度「無罪主張」 共犯の証人尋問など求める

4日始まった控訴審で弁護側は、嘱託殺人について一審と同じく無罪を主張し、被告人質問と大久保被告らの証人尋問を実施するよう求めました。

大阪高裁(坪井祐子裁判長)は、被告人質問と大久保被告の証人尋問について、尋問の内容を確認するとして、実施するかどうかの判断を留保しました。

共犯とされる大久保被告は、一審の京都地裁(川上宏裁判長)で、懲役18年の判決が言い渡され、控訴していて、来月25日に判決が言い渡される予定です。

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