国民体育大会(国体)から国民スポーツ大会(国スポ)に名称が変更された初の本大会となった「SAGA2024国民スポーツ大会」。教育的要素が色濃い「体育」から「スポーツ」の楽しさをより感じられる大会へと大会理念の転換も図った。5日に佐賀市で開かれた総合開会式では新たなスポーツシーンのスタートを会場一体となって盛り上げた。
国体から国スポへと名称が変更されたことを受け、準備を進めてきた県は「単なる名称変更に終わらせてはいけない。スポーツの力をみんなの力に変えていく」(山口祥義知事)と新たな取り組みを模索してきた。
大会後も見据え、「SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想」事業を展開。次世代アスリートを育てつつ、「する」「観る」「育てる」「支える」「稼ぐ」の五つの観点からスポーツ文化の裾野の拡大を図ってきた。
開会式の演出もSSP構想の観点を随所に反映させた。「する」側の選手だけでなく、「支える側」のパフォーマーの手拍子に合わせて、「観る」側の観客らもウエーブしたり手拍子をしたりして、参加機運も高めた。
山口知事は開会宣言で明治維新などを引き合いに「佐賀県は日本史の転換の舞台となってきた。スポーツも今、転換の時だ」と強調。「新しい大会をみんなでつくっていこう」と呼び掛けた。
開会式前のトークイベントに参加した元スポーツ庁長官の鈴木大地さんは「スポーツのする、みる、支えるは国で訴えていたが、地方で根付いて発信してくれていたことがうれしい」とSSP構想の取り組みをたたえた。
その上で「選手と観客が一体となって大会を盛り上げてどんどんパフォーマンスを上げていくことが見られればいいなと思う。一流のパフォーマンスを子どもたちが見て、『僕たちもやろう』と思ってくれる機会になれば最高にうれしい」と話した。【五十嵐隆浩】
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