福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しが、カメラの不具合で中断している問題を受けて、東京電力は10月22日、カメラ交換作業全7ステップのうち6ステップ目に入る計画。
カメラを取り換えたロボット全体と遠隔操作室での通信状態を確認し、試験的取り出し作業の再開に向けて異常がないかどうかを調整する。
試験的取り出しの中断をめぐっては、ロボットが一度はデブリに触れたものの、画像のように2台のカメラの映像が途切れてしまったことから作業が中断されている。
強い放射線に晒されたことで内部に電気がたまって不具合を起こしたとみられ、再起動や強い電圧をかけることでも復旧せず、カメラの交換を行う決断に至った。
東京電力は10月18日までに不具合を起こしたカメラ2台を交換し、映像が見られるようになったことを確認した。
カメラは、同じ種類の別のものに交換されたが、東京電力は「前回は試験的取り出し作業中にカメラのスイッチを一時的に切ってしまったが、次は起動状態を維持して電気がたまらないようにすることで同じような不具合を回避する」としている。
10月16日に開始された交換作業は全体で2週間ほどかかる見通し。現在は7ステップ中6ステップ目の段階で、今後、格納容器につながる扉を開けても放射性物質が外部に飛散しないよう作業部屋の気密性の確認などを行うという。
試験的取り出しの再開時期はまだ見通せていない。
燃料デブリの取り出しは廃炉の最難関とされ、試験的取り出しも当初2021年中に実施される予定だったが、ロボットの制作遅れや変更などで延期されていた。
取り出しの準備が整い、2024年8月22日に着手されるはずだったが、作業工程のミスで再び延期。9月10日に再開されたものの、カメラの不具合で9月17日に中断し、1か月あまりが経過している。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。